Dense2's Blog Weekly

~『週刊電説』【Just Another KissBlog】

『4-2-3-1 - サッカーを戦術から理解する』

※これは、明日の”ウズベキスタン戦“で”岡田ジャパン“が何とか勝って、”世界最速“で”2010年南アフリカW杯“出場を決めてもらいたい!との願いも込めた「応援ブログ」でもあります。先日のベルギー戦…相手は若手主体でまるでやる気がなく参考にならないのかもしれませんが、あの日のジャパンは、そんなことにお構いなく”好き放題”に自分たちのサッカーをやっていました。「4-2-1-3」という”変則フォーメーション“も試せたし、何よりも、(3トップ気味の)”トップ下“のポジションで中村憲剛が機能することが分ったのは大きな収穫でしたね♪

・杉山 茂樹:『4‐2‐3‐1 - サッカーを戦術から理解する 』〔光文社新書;2008-03-20〕

~この本は、去年ちょうど岡田ジャパンがアウェーの地でバーレーンに0-1で”完封負け“を喫した直後のタイムリーな出版だったので買い求めたものです。この二年前は、ドイツW杯での”惨敗ショック“でサッカーバブルは弾けたと揶揄され、その翌年末には次の代表監督だったオシム氏が脳梗塞で倒れ、ドタバタの中、再び代表監督に返り咲いた岡ちゃんこと”岡田監督“の下で再出発した矢先の敗戦でしたから、少なからず衝撃がありました。しかし、この本を読んで、さらに衝撃を受けました。それまで、サッカーなんて、どちらかと言えばなかなか点の入らない退屈なスポーツだと思っていて、この本に書いてあるような複雑な”フォーメーション“がちゃんと存在することすら、新鮮な驚きでした。

『4-2-3-1 - サッカーを戦術から理解する』画像

※せっかくですから、”岡田ジャパン“において、「4-2-3-1」フォーメーションが完成したと思われる、2008年11月19日の試合【カタール戦】より解説してみます。

~バーレーン戦での敗北で、協会も代表メンバーも監督もサポーターたちも、全てを悟ったのではないだろうか!?【あのバーレーン戦では、選手の動きがどことなくギコチなく、”ムービング・フットボール“、すなわち、パスを出したら動く⇒動きながらパスを受ける…という、「忍者」の如き目くらましの”パス・サッカー“という意識が徹底できていなかった。加えて、あの試合では、”オシム・チルドレン”と”岡田チルドレン”の混成チームという性格のため、水と油とは言わないまでも、混じり合っていたとはいえないチームだった】

・先ずは、一般的な「4-2-3-1」フォーメーションの解説から -
~図は、WikiPediaより拝借…

一般的な「4-2-3-1」フォーメーション図

~特徴的なのは、二列目の攻撃的3MFのうち、右MFと左MFが2シャドウ気味に張り出すことと、司令塔の中央MFと三列目のダブルボランチが、「逆V字型」を形成することだ。そして、三列目の守備的MF2人が通常より開き気味に距離を取る。【これは、サイドチェンジをしやすくすることと、相手のサイドアタックを早期にケアする意味もある】

・続いて、実戦の2008年11月19日カタール戦での「変則4-2-3-1」フォーメーションについて、私なりの解説を加えてみます。【フォーメーション図は、多少誇張して描いてあります】

2008年11月19日:カタール戦での岡田ジャパンの変則「4-2-3-1」フォーメーション図

~上のフォーメーション図で明らかなように、岡田ジャパンのカタール戦の布陣は、FWとMF陣/MF陣とDF陣のそれぞれのスペースがコンパクトに保たれ、守備に回った際に”2対1”や”3対1″などの「数的優位」が作り出しやすい陣形になっている。そして、トップの2シャドウに大久保と田中達のアジリティ俊敏】プレーヤーを配し、最前線からも走って追い回す”プレッシング・フットボール“をやるゾ!という意欲に満ち溢れたフォーメーションであり、これが見事にハマった。

☆そして、”5/31“の”ベルギー戦“での「(変則)4-2-1-3」フォーメーションについて -
~去年のカタール戦との違いと言えば…

・1トップというより”3トップ“気味の攻撃的布陣
~1トップは怪我が癒えていない玉田に代わり、今や岡田ジャパンの(FWの)救世主とも言うべき”岡崎“!!【出現の仕方が4年前の対北朝鮮無観客試合での”大黒“とダブって見える。今回も見事に”ゴール“を決めた…何と!”7試合連続得点“継続中】

・今回は、”シャドウ“気味に”2トップ“も添えた
~”2シャドウの左は前回と同じ大久保で、右は何と!本来はMFの”俊輔“!!【より、クロスを上げやすくなるだけでなく、積極的に”ミドルシュート“も打てるポジションである】

・前回と最も変わったのが、この”ニ列目
~いわゆる”トップ下“と呼ばれる「司令塔」のポジションに”中村憲剛“を大抜擢!!【彼は、期待に応えて、見事”1ゴール/1アシスト“の大活躍を見せた】

・三列目は、いわゆる”ダブル・ボランチ“のポジション
~これは、前回とさほど変わらず、左が”遠藤“、右が”長谷部“という、今一番乗っていて信頼できる選手を配置

・最後の四列目は磐石にして”定番”とも言うべき”ディフェンス陣
~今回は、左の”センターバック“に、前回の寺田に替わり、怪我の癒えた”中澤“が復帰。”闘莉王“と鉄壁の”最終ライン“の再結成である。【肝心の闘莉王は病み上がりのせいか!?精彩を欠き、トラップミスなどヒヤリとさせられる場面もあった。しかしながら、ベルギー選手の上がりが遅かったことと(最)前線からのプレスが利いていたことで、この日の唯一の”弱点“は露呈せずに済んだ】

★この日は”ローカルルール“下での試合でもあったので、選手交代枠は”6人“にまで増やされていました。岡田監督は、後半から、FWを中心として、あらゆる”組合せ“を試すことができ、ある意味で、「噛ませ犬との試合」だった感は否めません。それでも、FWの”得点力不足“という課題は克服されつつあるし、あと一勝で”W杯出場決定“というタイミングとしては、上々の出来だったのではないでしょうか!?

= 明日【6/6】の”ウズベキスタン戦“予想 =

・前半は、ホームのウズベキスタンに押し込まれる場面も多いが、20分過ぎから徐々に日本のボール支配率が上がり始め、30分前後に(あのドイツW杯の初戦:オーストラリア戦のように)”俊輔“の上げたクロスがキッカケとなり、ゴール前の混戦から半ば”オウンゴール“のような形で日本が先取点!を取る

・後半は、やや運動量の落ちてきたウズベキスタンを巧妙にコントロールしながら、徐々に日本がペースを握り始める。そして、ラスト15分というところで、”パワープレイ“に出てきた相手の裏を取り、見事に”カウンター・アタック“が決まり、トドメを刺す

…ということで、”2-0“で日本が”完封“して勝つと私は見ています。【チョット、楽観的すぎるかナ!?】

[参考]もっといろいろと知りたい人のために -

「サッカーのフォーメーション表」【PDF版】 ← 私が独断と偏見で作りました!!
~サッカーにフォーメーションもクソもあるか!?と思っていた自分にとって、ただドタバタと走り回っているのではない…ということを分らせてくれる本でした。個人的には、ドイツW杯でのジーコの固執した「4-2-2-2(4-4-2)」フォーメーションが何故機能せず(通用せず)、結果的に、最後は、当時Jリーグで主流だった”3バック“の「3-4-1-2(3-5-2)」フォーメーションと併用せざるを得なくなったのか!?ということに主眼を置いて作りました

「loopshoot.com」【ループシュート・ドットコム】 ← シミュレーションができますよ!!
~IT-WEB業界にいる30代くらいまでの若手には、意外にも!?”フットサル“のファンが多いんです。このブログのオーナーもそうみたいで、主に”ヨーロッパ・サッカー“【欧蹴】中心に、日夜”分析“を試みておられるようです…とにかく、秀逸!!

2009年 6月 5日 - Posted by | Soccer | , , , ,

1件のコメント »

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    ピンバック by ◎『サッカー談義』の広場〔フォーメーション、布陣、戦術…〕 « 『週刊WP』:《WPマスター》、『戦略論』、『サッカー談義』… | 2009年 7月 20日 | 返信


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