Dense2's Blog Weekly

~『週刊電説』【Just Another KissBlog】

『SAPIO 2009-8/19・26合併号』にみる”失われた20年”…!?

今年で、小学館の『SAPIO』は創刊20周年なんだそうだ。今年は平成21年、だから、『SAPIO』は平成のニッポンと共に歩を進めてきたことになる。昭和天皇崩御と共に始まった平成元年から、私はこの『SAPIO』を折に触れて買い求めるようになった。当時、こういった雑誌は稀有な存在で、新鮮に映ったものだった。創刊後ほどなくしてバブルが弾け、日本人の視線がともすれば”内向き“になりがちな時代にあって、敢て、国際色豊かな情報を載せ続けたことは評価されてよいと思われる。やや”過激“な論調に傾く傾向が見られるにせよ、『SAPIO』は時代の忠実なクロニクルであり続けたと言える。この平成年間【特に、昨年の”リーマンショック以後】、様々な雑誌の廃刊・休刊が相次いだけれども、まだ生き残っているという事実は厳然としてある。それだけでもスゴイ快挙だ。

『SAPIO 2009-8/19・26号』〔#14;Vol.472〕大画像

※ヘタな論評を加えるより、歴史を単純に羅列したほうが良いと思われるので、下記に列挙します。

= 日本の”失われた20年“【平成年間】 =

  • 1989年(平成元年)
    • 1月:昭和天皇崩御、明仁親王即位→昭和から”平成“へ…
    • 2月:リクルート事件で江副副会長逮捕
    • 4月:消費税3%施行
    • 6月:宇野新内閣発足、天安門事件、美空ひばり死去
    • 11月:ベルリンの壁崩壊
    • 12月:日経平均株価最高値
  • 1990年(平成2年)
    • 1月:秋篠宮文仁親王と川嶋紀子さん婚約
    • 2月:衆院選で自民党が275議席を獲得し大勝
    • 3月:大蔵省、土地関連融資の総量規制
    • 6月:大型景気が史上2番目の長さに…
    • 8月:日銀が公定歩合を年率6%に引上げ
    • 10月:東西ドイツ統一、O-157で園児志望
    • 11月:天皇陛下、即位の礼
  • 1991年(平成3年)
    • 1月:湾岸戦争
    • 2月:皇太子殿下、立太子の礼。美浜原発、原子炉自動停止
    • 4月:新都庁舎、西新宿で開庁
    • 5月:東京・芝浦にジュリアナ東京オープン
    • 12月:ソ連邦崩壊
  • 1992年(平成4年)
    • 2月:バブル景気、終結
    • 3月:新幹線「のぞみ」号、運転開始
    • 6月:PKO協力法成立
    • 8月:バルセロナ五輪で、15歳の岩崎恭子が金メダル
    • 9月:毛利衛さん、日本人で初めてスペースシャトル「エンデバー」へ搭乗
    • 10月:天皇陛下、初の中国訪問
    • 11月:アメリカ大統領選挙→民主党が勝利
  • 1993年(平成5年)
    • 1月:クリントン大統領、就任【民主党政権】
    • 3月:江沢民、中国国家主席就任
    • 4月:天皇・皇后両陛下、歴代初の沖縄県訪問
    • 5月:サッカー、Jリーグ開幕
    • 6月:皇太子徳仁親王、大和田雅子さん結婚の儀。宮澤内閣の不信任案可決、衆議院解散
    • 7月:衆院選で”保守新党“大躍進、北海道南西沖地震
    • 8月:細川内閣発足、55年体制“崩壊、田中角栄元首相死去
  • 1994年(平成6年)
    • 4月:細川首相、辞意表明。社会党が連立内閣離脱。少数与党の羽田内閣発足
    • 6月:松本サリン事件自民・社会・さきがけの三党が村山富市を首班指名、村山内閣発足
    • 7月:金日成死去。向井千秋さんが日本人女性初の宇宙飛行
    • 9月:関西国際空港開港
    • 10月:北海道東方沖地震
  • 1995年(平成7年)
    • 1月:阪神・淡路大震災
    • 2月:野茂英雄、メジャーリーグ挑戦【ドジャース】
    • 3月:オウム真理教に強制捜査
    • 4月:東京都で青島幸男、大阪府で横山ノックのタレント知事がダブル誕生
    • 5月:麻原彰晃、逮捕
    • 8月:村山改造内閣、村山談話戦後初の銀行経営破綻
  • 1996年(平成8年)
    • 1月:村山首相退陣、橋本内閣発足。若田光一さんがスペースシャトル「エンデバー」へ搭乗
    • 2月:羽生善治が史上初、七冠達成
    • 4月:麻原被告、初公判三菱銀行と東京銀行が合併
    • 7月:大阪府で「O-157」集団食中毒発生
    • 9月:民主党“結成
    • 12月:ペルー日本大使公邸、人質事件
  • 1997年(平成9年)
    • 4月:消費税5%実施
    • 6月:神戸連続児童殺傷事件で、当時14歳の容疑者を逮捕
    • 7月:香港が100年ぶりに返還され、”中国香港“がスタート
    • 8月:ダイアナ妃が、壮絶事故死
    • 11月:北海道拓殖銀行“が経営破綻、”山一證券“が自主廃業
    • 12月:「京都議定書」採択。東京湾アクアライン開通
  • 1998年(平成10年)
    • 2月:長野冬季五輪開幕。自民党の新井将敬議員自殺
    • 4月:外国為替法改正、”金融ビッグバン
    • 6月:仏W杯で岡田ジャパン、全敗で1次リーグ敗退
    • 7月:参院選で自民大敗→橋本首相、辞意表明→小渕内閣発足、和歌山毒物カレー事件
    • 8月:北朝鮮のミサイル「テポドン」が三陸沖に着弾
    • 10月:和歌山毒物カレー事件で林真須美容疑者逮捕日本長期信用銀行が経営破綻
  • 1999年(平成11年)
    • 1月:自民・自由党連立の小渕第1次改造内閣発足。EU統一通貨「ユーロ」流通開始
    • 3月:日産“が”ルノー“と提携
    • 4月:石原東京都知事、誕生山口県光市母子殺害事件
    • 8月:トルコ大地震
    • 9月:東海村JOC、国内初の臨界事故
    • 12月:”2000年問題“が話題に…ミレニアム問題
  • 2000年(平成12年)
    • 2月:大阪府で太田房江知事就任
    • 4月:小渕首相倒れる→小渕内閣総辞職森喜朗、内閣総理大臣に
    • 6月:皇太后陛下、崩御
    • 7月:雪印乳業、集団食中毒事件二千円札発行
    • 9月:シドニー五輪で高橋尚子が金メダル
    • 10月:田中康夫が長野県知事に
  • 2001年(平成13年)
    • 1月:G・W・ブッシュ大統領就任【共和党政権】中央省庁再編
    • 2月:えひめ丸事件
    • 4月:森内閣退陣→小泉政権誕生
    • 6月:池田小、児童殺傷事件
    • 9月:911“、「アメリカ同時多発テロ」発生、日本初の狂牛病感染牛確認
  • 2002年(平成14年)
    • 1月:雪印食品、輸入牛肉偽装事件
    • 4月:ゆとり教育スタート
    • 5月:日韓共催W杯“開幕、トルシエ・ジャパン、”ベスト16“に
    • 7月:”郵政民営化関連法案“成立
    • 8月:”住基ネット“が稼動開始
    • 9月:小泉電撃訪朝“、北朝鮮が拉致認める
  • 2003年(平成15年)
    • 2月:北朝鮮、ミサイルを日本海へ発射
    • 3月:中国で”SARS“大流行米軍、”イラク侵攻“【テロとの戦い
    • 4月:郵政事業庁が日本郵政公社に。六本木ヒルズ、オープン。日経平均株価、1982年以来の安値:7,607円88銭
    • 6月:「有事法制」成立
    • 7月:北島康介、100m・200m平泳ぎで世界新記録樹立
    • 12月:米軍、”フセイン元大統領“、拘束
  • 2004年(平成16年)
    • 1月:山口県で”鳥インフルエンザ“発生
    • 2月:自衛隊本隊第1陣、イラクのサマーワへ派遣
    • 4月:政治家の”年金未納問題“、相次いで発覚
    • 5月:小泉首相、”再訪朝“で拉致被害者の家族5人が帰国
    • 8月:アテネ五輪開幕
    • 10月:新潟県中越大地震“発生
    • 11月:新紙幣発行
  • 2005年(平成17年)
    • 2月:「京都議定書」発効
    • 4月:JR福知山線脱線事故
    • 5月:北朝鮮、日本海へミサイル発射
    • 7月:野口聡一さん搭乗の「ディスカバリー」、打上げ成功
    • 8月:小泉首相、”郵政解散
    • 9月:郵政総選挙“→自民党圧勝
    • 10月:郵政民営化関連法案、(再)可決
  • 2006年(平成18年)
    • 1月:宮崎勉、死刑確定。日本郵政株式会社、発足。堀江貴文、逮捕
    • 2月:トリノ五輪で荒川静香が金メダル
    • 3月:堀江メール問題WBC“で王ジャパンが初代王者
    • 5月:構造計算書」偽造問題【”耐震偽装事件“】
    • 6月:村上世彰、逮捕
    • 9月:小泉内閣、総辞職安倍内閣、発足【第1次禅譲内閣、麻原彰晃、死刑確定
    • 12月:フセイン元大統領、死刑執行
  • 2007年(平成19年)
    • 1月:そのまんま東“【東国原英夫】が宮崎県知事に就任
    • 2月:第1回東京マラソン
    • 3月:東京ミッドタウン、開業
    • 5月:松岡利勝農水相、首吊り自殺
    • 7月:参議院議員通常選挙で民主党が大躍進
    • 9月:安倍内閣、総辞職福田内閣、発足【第2次禅譲内閣
  • 2008年(平成20年)
    • 1月:橋下徹“が大阪府知事に就任中国産毒入り餃子事件
    • 4月:山口県光市母子殺害事件に死刑判決
    • 5月:この頃から、無差別殺傷事件が連続して起きる
    • 6月:四川大地震“に続き、日本でも”岩手大地震“が…
    • 8月:北京五輪、福田首相、辞意表明
    • 9月:”リーマンショック→”金融危機“へ…福田内閣、総辞職麻生内閣、発足【第3次禅譲内閣
    • 11月:アメリカ大統領選挙→民主党が勝利
  • 2009年(平成21年)
    • 1月:”バラク・オバマ“氏が米国初の黒人大統領に就任【民主党政権】→アメリカの”チェンジ“(!?)
    • 2月:映画『おくりびと』がアカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞【引き続いて根強い”COOL Japan“ブームか!?】
    • 3月:森田健作“が千葉県知事に就任WBC“で原ジャパンが連覇
    • 4月:北朝鮮の”飛翔体“【ミサイル!?】発射騒動
    • 5月:小沢民主党代表、辞職鳩山由紀夫氏、新代表に就任
    • 6月:岡田ジャパン、”2010年南アW杯“へ世界最速で予選突破
    • 7月:東京都議選“で民主党圧勝衆議院解散【「追い込まれ解散」か「後の先解散」か!?】
    • ~以後、予定〔予測〕として…

    • 8月:衆議院選挙、投開票
    • 9月:首班指名→新内閣発足【「政権交代」か「政界再編」か!?】
    • 10月:2016年五輪開催都市決定
  • 2010年(平成22年)〔予定〕
    • 2月:バンクーバー五輪
    • 4月:国際宇宙ステーション完成、団塊世代の大量退職本格化
    • 6月:”南アフリカW杯“、開催
    • 7月:参議院議員通常選挙【新政権下でねじれ国会の解消なるか!?それとも、再びの「政界再編」などの呼び水となるか!?】
    • 10月:アメリカで中間選挙【オバマ大統領は信任されるか!?】

※ざーっと眺めただけでも、いかに人間とは「おなじことを繰り返すのか!?」ということが見て取れる。これこそ、《歴史は繰り返す》を地で行っているワケである。それも、およそ”十年周期“【あるいはまた、”一回り“の12年周期という説もあるが…】で。

  1. 概ね、「○○○9年」と「○○○0年」には大きな出来事は起こらず、「●●●1年」という”十年“【Decade】の最初の年《大事件》は起きていること【1991年の”湾岸戦争“と”ソ連邦崩壊“に、2001年の”911テロ“】。そうすると、次は”2011年“がヤバイ!ということになるが、この年には、《完全地デジ化》《情報通信法》の施行が控えている。一体、どうなることやら!?
  2. アメリカは、ほぼ”8年周期“で共和党政権【パパ・ブッシュ】→民主党政権【クリントン】→共和党政権【子ブッシュ】→民主党政権【バラク・オバマ】…と、規則正しい《政権交代》を繰り返して来ていて、現在はその4周目に当たるということ。私は、個人的には同世代だしオバマ大統領を応援したいが、その一期目は、前ブッシュ政権8年間の”尻拭い“に終始するかもしれない!?ということに危惧を抱いている。
  3. 翻って日本の場合、1993年に新党ブームで”細川連立政権“が成立して以降、純粋な非自民党政権は生まれていない。その意味では、政治の世界でも《失われた15年(20年)》と言えるのかもしれない。”二大政党制“が定着しているアメリカの事情は差し引くとしても、日本の場合、これほどまで同じような政体が長らく続いてきた…という事実は、異常なまでに奇異であること。ただ、アメリカのような”二大政党制“も日本にはしっくり来ない気がする。

★来る、”8/30(日)“の総選挙…今回ほど、投票に悩む選挙は初めてだ。
~何となく、ムードで”政権交代“が起きる…かのような報道がなされているが、4年前の”郵政解散・総選挙“の時とはワケが違う。この4年間で、日本では一層のブロードバンド化が進んだことはもちろんだけれども、何より、私たちは、昨年秋、プロが自ら仕掛け、将来の目測を見誤り自ら破綻したことに起因する《金融危機》を目の当たりにしたのだから。アレをみた後では、もう既に、「これから、一体誰を頼りにしたらよいのだろう?」と素朴な疑問を抱いても不思議ではない。各国のいわゆる”エスタブリッシュメント層“に対して抱いていた無垢の信頼までもが揮発してしまったのだから…。

☆そんな折、解散前に出版された、小林よしのり氏の『天皇論』〔小学館のムック、いわゆるマンガによる解説本〕が売れに売れている…という。考えてみれば、これは無理からぬ話だ。現代は、特に、日本では”精神的支柱“を失い、国家も国民もひたすら漂流し続けているような状況なのだから…アメリカみたいに、”黒人初の大統領“が強力なリーダーシップを発揮してくれる国と違い、日本では、二大政党が国民そっちのけで「解散する、解散しない」でモメているのだから、どこか歯車が狂い始めていると思わざるを得ない。はァー、難儀な時代になったもんどすなァ…

『天皇論』〔小林よしのり;小学館ムック;2009-08-15〕画像

~本音を言えば、自民党単独でも、民社党単独でも、政権を取って欲しくない。それは、両党の成り立ちを思い出してみれば当然のことで、マニフェストを見ても先鋭的な対立点は見当たらないし、両党共、財源の問題など方法論のみに終始し、《あるべき国家像》などを指し示せていないからだ。かと言って、国民のほうでも、先の『天皇論』が爆発的に売れていることが象徴するように、日本という国の”国体“や”政体“に関する正しい知識を持ち合わせないし、また、ちゃんと教えられて来なかった…そのツケが今頃回ってきているとも思える。私は、”小林よしのり“の狂信者では決して無いが、それでも、彼の著作にはちゃんと背骨が一本通った一貫性を感じてもいる。なので、月末にも控える選挙での投票を決めかねている人たち【自分も含めて】に向けて -
・小林よしのり:『日本を貶めた10人の売国政治家』〔幻冬舎新書〕
・小林よしのり:『世論という悪夢』〔小学館101新書〕
~政治家も世論も、”ポピュリズム“【大衆迎合主義】に陥りつつある世相に対し、鋭く警鐘を鳴らしているようでもあり、なかなかタイムリーな本だと感じた。あとは、これら情報を私たちがどう理解し、どんな投票行動に結び付けるか!?ひとえに、私たちの内なる”日本人力“にかかっている…と示唆しているように思えてならない。もうそろそろ、目を覚まさないとイケナイってか!?

2009年 8月 8日 - Posted by | Economy, History, Politics | , ,

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