Dense2's Blog Weekly

~『週刊電説』【Just Another KissBlog】

★データ・ストレージ技術で蘇る”黄泉の国”…!?

☆今日は全国的に「お盆」ですね…なので、お盆にふさわしい(!?)話題を。

~先週は、梅雨明けにも関わらずの”集中豪雨“と、お盆直前の台風通過に静岡県【駿河湾】内での”大地震“と災難続きでしたが、今年の異常気象も含め、何やら大きな波乱の前兆のような気がしてなりません。いろいろな意味で、ご自愛下さいませ。

・服部 真澄:『エクサバイト〔エクサバイト』〔角川書店;2008-01-31〕

~これは、”おぞましい“近未来小説です。初めに読んだ時は、ITがこのまま発展していけば多分こんな社会になっているんだろうなァ!?とのん気に考えていましたが、再読してみると、何とも形容し難い問題提起を含んでいることに気づき、愕然としました。【去年、いろいろな雑誌などの書評欄でも取り上げられていたのですが、ウッカリ忘れていました】

服部真澄:『エクサバイト』〔角川書店;2008-01-31〕画像

★神話や歴史は、間違いなく”正しい“ものなのか!?

  • 誰の心の中にもある、歴史に名を残したいという願望…
  • ~この小説に出て来るような、《ユニット》人生記録システム/メディア】があったら、誰もが、特に、”フェイマス“な人であればあるほど、歴史に名を留めたいという《自尊欲求》は強くなる…という”マズローの法則“を持ち出すまでもなく、人は、自己の生きた証を記録・保存したいと思うものらしい。そこに、”データ・ストレージ“技術と連動したこのサービスが生まれる余地がある…という

  • もしも、その死後100年の時を経て、死者の”記憶“が限りなくリアルに近い”記録として修復され蘇るとしたら…
  • ~まるで怪奇ミステリーのような話だが、現在のITの延長線上でなら、確かに、上述のことは実現不可能ではない気がしてくる…ただ、そこには、プライバシーの問題(死後)著作権の問題相続権の問題、それに、神話の編纂権歴史の編集権といった、複雑な問題が絡んでくることは否めない。文字通り、「死者に口なし」なのだから、故人の尊厳を保ちつつ、かつ、その係累に悪影響が及ぶことなく、《神話》【正史】を正しく”再構築“する…という作業は、絶望的なほどまでに困難なことでもあるかのように見える

  • アメリカの”愛国者法“と”個人情報保護“【プライバシー保護】との間に横たわる大きな溝
  • ~この小説を読んで真っ先に思い浮かべたのは、アメリカの”愛国者法“と”Google“の関係だった。愛国者法は、あの《911テロ》以後、国家に国民を監視する権利を認め、場合によっては”盗聴“もできるようにした。一方、Googleは、体良く言えば”検索エンジン“ではあるが、その実体は、ネチズンとしての”ネット市民“の活動履歴の監視役トレーサー】であると言えるのかもしれない。日本では、検索エンジンはYagoo!が好まれて使われているようだが、実は、Yahoo!の検索プログラムのコア部分はGoogleのものなのである。ということは、検索エンジンの80%以上のシェアを握っている…と言われるGoogleのデータ・サーバー【DB:データベース】には、私達日本人はもちろんのこと、ほぼ全世界のネット行動履歴がログとして記録・保存されるワケであり、これはあまり気持ちの良い状況ではないと言えなくはないだろうか!?私達は、ネットでの”利便性“と引き換えに、自己のネット活用上の”(データ的)特性“を無意識に提供していることとなり、だからこそ、”Amazon“とかからレコメンドという名のお勧めサービスなどを受けられるのだ…ということを忘れてはならない【利便性とプライバシー保護は”トレードオフ“の関係にあるのだから、もしも、プライバシーが暴かれることを恐れるのならば、現行のシステムでは、ネットは一切使わないという選択肢しか残されていないように見える】

※それでも、人々はネットを使うことを止めないのだろう…否、止められないのかもしれない!?今や、ネットやケータイのない世の中なんてあり得ない。それこそ、一般人がこぞって綴る”ブログ”でさえ、一種の《生前葬(の予約あるいは遺言)》と見なされ、その死後100年の時を経て、係累などの手によって新しい”秘史“【メモリアル墓標】として再構築されるということはアリなのかもしれない…

2009年 8月 13日 Posted by | History, IT-WEB | , , , , , , , , , , , , , , | コメントを残す

★『メディア論』の極み…ココまで言うかっ!?

佐々木俊尚氏がまたまた”過激“な本を書きました。梅田望夫氏がどちらかと言えば、海の向こうのシリコンバレーからの《IT-WEBへの楽観的な礼賛論者》なのに対し、佐々木氏は元新聞記者であるが故の《IT-Mediaへの悲観的な現実論者》といったスタンスを保ち、好対照をなしています。まァ、これからメディア界を”侵食“していく側のIT-WEB業界からすれば、新聞・テレビなどのマスメディア従事者には何とも危機感が足りないということに対する警告の書でもありますね。

『2011年 新聞・テレビ消滅』画像

・佐々木俊尚:『2011年 新聞・テレビ消滅』〔文春新書#708;2009-07-20〕
~タイトルからして、何とも”過激“かつ”挑発的“なものである。だが、日常生活で新聞やテレビなどを注意深く観察していると、佐々木氏の主張はあながち荒唐無稽なものではないし、さほどセンセーショナルなものではないことが分かってくる。そう言えば、NHKの集金人は来ても新聞の勧誘員は来なくなったなァ!?とか、テレビのCMが微妙に短く【殆どがクォーターと呼ばれる”15秒CM“】なり、いわゆる番宣の挿入が増えているなァ!?とか。それも、飲料メーカーなど季節商品ものが大勢を占める一方で、《地デジ関連広告》が増えているし、それこそ公告も増えた。【もっとも、今夏は選挙モードだから致し方ない面もある】

  • メディアに対する”視聴スタイル“の変遷
  • ~そう言えば、去年の今頃来た新聞勧誘員が語っていた。「ご近所でも、最近、すごい勢いで新聞の購読を止めていっています…それも、お年寄りがね」と。専業主婦層はチラシ欲しさに新聞を取っていたという話も今は昔。スーパーのチラシは携帯やPCでも見られる世の中になった。【《Shufoo!》(しゅふー)やケータイ配信のスーパーのメルマガなど】最後の砦と言えるお年寄りが新聞を取らなくなるとは、これはもう末期症状と言えるのではなないだろうか!?【お年寄りなどシニア層は早起きなので、散歩も兼ねて駅前のスタンドへ新聞を買いに行くのが習慣にもなっているし、もっと言えば、アクティブ・シニア層までもが携帯やネットを使いこなすようになってきたことの現われでもあるのでしょう!?】

  • いわゆる”マスの消滅“という現象
  • ~今からおよそ25年ほど前の”バブルピーク期“には、「少衆・分衆論」が盛んだった。電通のPR局長だった藤岡和歌夫氏が提唱したものだが、”昭和元禄“と呼ばれる空前の消費ブームの中、一見冷や水を浴びせかけるようなこの考え方は、消費の記号化差異化というコトバまで産み出した。とは言え、それはあくまでも広告代理店などが流行やブームを創り出し先導する…という前提条件付でのことだった。今現在、そうした創り出された流行や仕掛けられたブームにホイホイと乗ってくれる消費者は皆無である。【そもそも消費者ではなく、「生活者」という用語が正しいのだという一種の神学論争紛いの議論もあった】メディアのリーチ先であるマスが消滅したのだから、(マス)メディアのあり方も変わらざるを得ないのに、現実はそうはならず、21世紀の”デジタルエイジ“を迎えてしまったのである

  • (マス)メディアの”プラットフォーム“が液状化【多様化】している…という現実
  • ~これは、グーグルの及川卓也氏の説明によるものである。氏によれば、(マス)メディアの構造は三層構造になっているのだと言う。【これは、頭文字をとって”3C構造“とも言われるらしい】

    • 新聞なら -
    • コンテンツ:新聞記事
      コンテナ:新聞紙面 → ニュース・ポータル検索エンジンブログ2ちゃんねるなどへ…
      コンベヤ:販売店 → インターネットへ…

    • テレビなら -
    • コンテンツ:(テレビ)番組
      コンテナ:テレビ → テレビ、ケータイゲーム機パソコンなどへ…
      コンベヤ:地上波、衛星放送、CATV → 電波ケーブルテレビインターネット(ブロードバンド)などへ…

    ※これは、これまでの新聞社やテレビ局のプラットフォーム基盤】としてのメディア産業への独占が崩れ【だからこそ、”マスコミ“すなわち「ブロードキャスティング」が成り立っていたのだが…】、主戦場が”コンテナ“【メディアの搬送体】へと移ってきていることを象徴している出来事で、”情報のデジタル化“がこの傾向に拍車をかけると予想されています。そして、逆戻りはあり得ないことなのです

  • 新聞界の今後は!?
  • ~元新聞記者だけあって、新聞界についてはテレビ界の倍近くもページを割いている。そして、文化革命の歴史における冷徹な現実だとして、「新聞の敗戦」を位置付けている。だが、ココまで悲観することはないと思う。確かに、新聞を買う人は減ったけれども、新聞記事を読んだり活用する人たちは間違いなく増えているのだから…言わば、新聞というコンテンツの”利用形態“が変わったに過ぎない。なので、”プレス“という職業がなくなる訳でもないし、真に価値ある情報を読者の望むスタイルで届けられるよう、《発想の転換》をすべきなのだろうとは思う。ちょうど、写真屋さんがホーム・パブリッシング(ホーム・プリンター)の普及の際、それを逆手に取って《オフィス・デポ》のような業態へと鞍替えし生き延びたように…デジタル情報の特徴は、「コピーコスト=0」であることを利用し、あらゆる”デジタル・パブリッシング“のニーズに応えようとした試行錯誤の結果の副産物だった。【特に、新聞販売店の経営者の人たちは、このことに注目すべきだとも思うし、巷を騒がせている「コンビニFCの本部と加盟店の問題」も、実は、新聞界で起きている問題と根っこは同じであると感じている】

  • テレビ界の今後は!?
  • ~むしろ、悲惨なまでに問題なのはこのテレビ界のほうかもしれない。何故なら、同じ”デジタルメディア“を扱う《音楽界》成功例があるからだ。周知の通り、音楽界でのコンテナはAppleのiTunes Storeに、コンベヤインターネットに、それぞれ取って代わられつつあり、テレビ界では、事実上のコンテナTouTubeニコニコ動画などのITベンチャー企業に、コンベヤインターネットになりつつある。【まだ、”著作権“上の問題はクリアされていないが、アメリカでは”ビジネス・パートナー“として業務提携の動きが顕著であり、この方式により、メジャーレーベルはむしろ収益力をアップさせながらの業容回復に成功したのである】
    ~そして、もう一つの本質的な問題である、”電波利権(電波行政)“の問題…こちらのほうが見過ごせない悩ましい難題になりつつあるのだ。それは、2011年《完全地デジ化》がなされ《情報通信法》が施行される…ということだ。先ず、《完全地デジ化》の本質を因数分解すると、一つはテレビのコンベヤがアナログの地上波からデジタルの地上波へ変わるということと、場合によっては【離党や山間部などの”難視聴地域“では】NTTの光ファイバーCATV等の代替手段に頼らざるを得なくなるということである。この後者の視聴方式は、いわゆる《ネット視聴》のスタイルであり、図らずも、「テレビはパソコンとインターネットでも見られる」という事実を一般に知らしめる結果ともなった。次に、《情報通信法》施行の本質はこうだ。単純化して言えば、「これまで、テレビは”放送法“で、電話やネットは”電気通信事業法“でと、メディアによって分かれていた法律を一本化してしまう」ことである。つまりは、テレビの”コンテンツ“をオープン化するということ。これによって、現在、テレビ局がメディアの”三層構造“【3C構造】の全てを握る独占状態は崩れ、今後、この開放されたコンテナコンベヤなどを巡り、激しい《プラットフォーム争奪戦》が起こるであろうと予想されている。【逆から見れば、テレビ局は、単なるコンテンツ・メーカーの地位に留まるしかなくなるかもしれない!?ということ】その前哨戦として、ゲーム機メーカーの任天堂Wiiで、ネット企業のGoogleが携帯電話用OSのAndroidで、それぞれ、次世代”STB“【セット・トップ・ボックス】の世界標準化を虎視眈々と狙っているとされる。
    ~もう一つ、《完全地デジ化》《情報通信法》施行に関しては、大きな”矛盾点“が残されている。従来の”電波法“ではユニバーサル・サービス【全国どこでもあまねく等しいサービスを行き渡らせること】をうたい文句としてしていただけに、電波は国家の財産【公共財】としてテレビ局など事業者は”電波料“を支払いメディア企業としての権利を買っていた。しかしながら、”放送法“では区域外再送信が制限され、「再送信は同一区域(エリア)内に限る」という妙なことになっていて、特に、民放の東京キー局と地方のCATV局などと頻繁に係争の種となっている。【さらには、CATV局は各都道府県に1社に限るという法令の縛りが事態をややこしくしている】ただ、来る2011年《完全地デジ化》によって、いわゆる「タイムシフト」「プレイスシフト」「スタイルシフト」という《TPSシフト》が起きるとされているだけに、この紛争もほどなく雲散霧消してしまうのかもしれないが…

2009年 8月 5日 Posted by | Business, IT-WEB | , , , , , , , , , , | コメントを残す

☆新設!! - 《PHP+MySQL》で自作WEBアプリに挑戦…!?

★これまで、『週刊電説』【Dense2’s Blog Weekly】ではオンラインWP:WordPressワードプレス】のことばかりに触れてきました。でも、探究心の強い人にはアレだけでは物足りなかったかもしれません。なので、今回は、”インストール型“にチャレンジするための前段階として、《WAMPP/XAMPP》ワンプ/ザンプ】という「開発環境」について、少しだけお届けしますね。

WP:WordPressワードプレス】などのいわゆるWEBアプリ(ケーション)は、コアは《PHP+MySQL》という、一種のプログラムの「」【モジュール】になっているのですが、それを開発しながら安全に試運転(テスト)するためには、それなりの「開発環境」が必要です。これらをマトメた、”フリー“【オープンソース】のものに、《WAMPP/XAMPP》ワンプ/ザンプ】というスグレモノがあります。これは、自分のPC内で”ローカル“【インターネットに接続しないオフラインの状態】で《擬似サーバー環境》を提供してくれるオール・イン・ワン・ソフトです。これを使うことによって、自分のPC内の”WEBブラウザー“【IE:InternetExplorerFF:FireFoxなど】で確認しながらセキュアな環境下での開発が可能になります。

《XAMPP》ザンプ】について -
~これは、実質、”Windows“対応のPCを前提としているので、《WAMPP》ワンプ】ということです。尚、Mac対応のPC向けには《MAMPP》マンプ】というものがあります。

  • WAMPPの入手先⇒ http://www.apachefriends.org/jp/xampp-windows.html
  • WEBサーバー:Apacheアパッチ
  • スクリプト言語:PHP
  • データベース:MySQL
  • …の「三点セット」に加え、PHPでよく使う汎用プログラム・セットをマトメたライブラリーである”PEAR“【PHP Extension and Application Repository】なども入っています。

Smartyについて -
~このWP:WordPressワードプレス】にせよ、いわゆるWEBアプリケーションの構造は、”ロジック“【データ管理】を担う《PHP+MySQL》などのモジュールと”デザイン“【テンプレート】を担う《(X)HTML+CSS》などのテーマ(スキン)・セットから成り立っているのですが、この両者をつなぐテンプレート・エンジン」として”Smarty“というものがあります。【一種のPHP拡張書式みたいなもの】

  • Smartyの入手先⇒ http://www.smarty.net/download.php
  • …この”Smarty“を使うメリットとしては、特に、オンライン・ショップなど更新頻度の高いWEBサイトの場合、ロジックとデザインを切り離し主に「データ管理」の部分のみに専念して作業が進められるというメリットがあります。

参考図書について -

・藤本 壱:『作って覚える PHP+MySQLアプリケーション - ブログ、ショッピングサイトからマッシュアップまで〔ソシム;2008-07-03〕

    = 目 次 =

  • 第1章:開発環境を整える〔主に、XAMPPについて〕
  • 第2章:MySQLの基本とPHPからの利用
  • 第3章:Smartyでロジックとデザインを分離する
  • 第4章:ミニブログのシステムを作る
  • 第5章:ショッピングサイトのシステムを作る
  • 第6章:マッシュアップWebアプリケーションを作る

『作って覚える PHP+MySQLアプリケーション』画像

参考著者のブログサイトJP-WP.comボタン

2009年 7月 22日 Posted by | IT-WEB | , , , , , , , , , , , | コメントを残す

★移設予告!!★

☆平素は、この『週刊電説』をご覧いただき、誠にありがとうございます。 <(_ _)>

WP4JP.WPcom:『週刊WP』のPRバナー

※一部の読者からご要望がありましたので -

  • WP“【WordPress | ワードプレス】関連の「特集記事」
  • サッカー“【フォーメーション】関連の「コーナー」
  • 戦略論“【『孫子』 | 『呉子』】関連の「コーナー」
  • …などは、別ページに移設していく予定です。

]この『週刊電説』は、当初のスタイル、すなわち、《BLog》Book Log:「読後日記」】風に戻す予定ですので、ご了承下さい。

2009年 7月 15日 Posted by | History, IT-WEB, Politics, Soccer, Tactics, WordPress | , , , , , , , , , | コメントを残す

☆『クラウドソーシング』〔ヒューマンネットワークの夜明け〕

※『クラウドソーシング』:はしがき〔ヒューマンネットワークの夜明け〕より

  • 二人のジェイク
    • 『スレッドレス・ドットコム』
    • ~”二人のジェイク”、すなわち、ジェイク・ニッケルジェイコブ・デハートという二人の大学中退者は、2000年頃、自分たちで”デザイン・コンテスト“の会社を興した。数ヵ月後、『スレッドレス・ドットコム』というWEBサイトを立ち上げ、デザイン投票⇒優勝者へは商品化&販売権を付与というシンプルな方式で、瞬く間に《Tシャツ・コンテスト・コミュニティ》を成長させていく。特徴的なのは、全くの”アマチュア同好会“でありながら、(ITベンダーなどを除けば)プロや業者の手を借りていないことにある。

  • 偶然の経済
    • 『アイストックフォト』
    • ~”二人のジェイク”がTシャツのビジネスを始めた頃、”ブルース・リヴィングストン“も新しい事業に乗り出していた。『アイストックフォト』というWEBサイトを中心として《写真コミュニティ》が育まれていった。ココの特徴は、写真の使用料を通常のプロサイトでの価格の”1/100“程度に抑えたことと、その使用料をサイトと撮影者【著作権者】との間で”折半“したことである。【後に、”ゲッティ・イメージ“社に買収されるが、これは、YouTubeGoogleに買収されたケースと似た例だった】

    • 《デジタル・ネイティブ》の出現
    • ~これは、”未来学者“のアルビン・トフラーがその著書:『第三の波』の中で予言した、”プロシューマー“の登場に等しいものがある。すなわち、消極的(受身的)消費者から”積極的(参画的)発信者“へ…という流れである。しかも、この流れは、現在の「十代」【ティーン・エージャー】を中心として、確実に成長しながら力強いトレンドになっていっている…とされています。

    • 《ユーザー生成コンテンツ》の隆盛
    • ~例えば、”コンバース・ギャラリー“という広告キャンペーンなどのように、製品メーカーの広告代理店がその消費者たちのような一般”ユーザー“から広告を募り投稿させるとか、素人起点の”UGC“【User Generated Contents】や”CGM“【Consumer Generated Media】を取り入れる企業が増えていること。これこそが、”ニューメディア“だともてはやされている。

    • こうした状況が生まれる動因として -
      1. 生産コストが安いこと
      2. 行き場のない才能や創造性が持て余されていること
      3. インターネット上に同好の士のコミュニティが築かれていること
    • などが挙げられています。

    • ソフトウェア開発における《オープンソース・ムーブメント》との融合
    • ~OSの”リナックス“しかり、サーバーソフトの”アパッチ“しかり、ウェブブラウザーの”ファイアフォックス“【モジラ】しかり…「情報経済」のインフラの多くはこうした”ボランティア“の集団によって作られ支えられてきた。つまり、かつては、企業の正社員だけが手がけていた仕事を、大抵は低賃金で、あるいは無償で、集団として完成させるわけである。そして、人間に関する重大な真実として、しばしば企業よりもコミュニティのほうが効率良く仕事を進められるということが明らかになってきました。

    • P&Gの挑戦
    • ~創業から160数年を経たかつての優良企業:プロクター・アンド・ギャンブルP&G】は2000年半ばに苦境に立たされた。画期的な新製品を作れなくなり、株価は50%も下落、この緊急事態に新任のCEO:A・G・ラフリーを迎え経営の舵取りを任せる賭けに出た。彼は、「開放せよ」をスローガンに販売部門と研究開発部門、エンジニアリング部門とマーケティング部門を隔てる壁を取り払うと同時に、会社と仕入先、小売店、顧客との間の壁も取り払った。その上で、”《オープンソース》の開発手法を採り入れ、退職した研究員のコミュニティ・サイト:『ユア・アンコール』の開設に手を貸し、さらに、東欧・中国・インドなどの国々での知的資本推進エンジンとなりつつあった『インノセンティヴ』と呼ばれる、14万人の科学者からなるネットワークを活用することにした。これらの戦略はズバリ当たり、株価はそれまでの最高値を上回り、純利益は2007年に以前の3倍(100億ドル)を稼ぐまでに復調しました。【”IBM“はこの手法に早くから着目し、『アイデアジャム』というサイトを立ち上げています】

    • アメリカらしい「正しい民主的手続き」の復権として…
    • ~これは、サン・マイクロシステムズの共同創立者:ビル・ジョイによって最初に指摘された、「誰であろうと関係ない。頭のいい人びとの殆どは他人のために働く」という革新的な真理を、《功・利他主義》という超・楽観的なレベルにまで信じようとする、いかにもアメリカ人らしいメンタリティでもあります。

  • 小さいパーツの革命
  • クラウドソーシングはインターネットと密接に関わっているが、その本質はテクノロジーには関係ない。それよりも重要なもの、興味深いものはテクノロジーによって生じる行動であって、特に、インターネットを介して沢山の人々が団結し、(自己)組織化して、生き生きと、パワフルに活動する可能性が出現しつつある…ということです。”Wikipedia“というネット上の百科事典の編纂にその片鱗は見られたが、最近では、『SETI@home』【JP】という”地球外生命体探索PT“への応用がその好例です。これは、一時もてはやされた”グリッド・コンピューティング“【分散コンピューティング】の考え方に似ていますが、インターネットをシステムの基盤【プラットフォーム】に据えた点でクラウドソーシングのほうがよりダイナミックであると言えるでしょう。
    そして、この考え方の優れている点は、一般人の”スペアサイクル“【空き時間などの余剰処理能力・リソース】を拝借している…というところです。たまたまではありますが、今後、世界的に”ダブルワーク“や”トリプルワーク“などの《マルチタスクの時代》が恒常化していくトレンドの中、人間はようやくコンピューターの”クロック・サイクル“に合わせた働き方を得られるようになったと言えるのかもしれません。ネットには”常時接続“しているけれども、コンピューターを操作するのは”スペアタイム“で…というこのスタイルは、忙しい現代人には打ってつけなのかもしれませんね。

  • 結びとして - ヒューマンネットワークの明るい未来
  • ~インターネットは人々を孤立させる…という不吉な予言とは裏腹に、クラウドソーシングはインターネットのテクノロジーを利用し、様々な土地で、様々な背景の下に暮らしている人々に、団結し、意義ある交流をする機会を提供しつつある。また、クラウドソーシングは、もう一つの関係を築きもする。それは、”企業と顧客との協力関係“である。
    そして、《マズローの欲求五段階説》に示されているように、人々は自分の才能を養うことや、自分の知識を誰かに教えることには大きな喜びを感じる。【”自己実現・表現欲求“としてのコミュニティーへの”貢献意欲“の発露】クラウドソーシングでは共同作業そのものが”報酬“となる”善循環“が生まれつつある…としています。
    また、クラウドソーシングは、まさかと思うような所から才能ある人々を引っ張り出すという不思議な傾向を持っていて、大掛かりな”才能発掘装置“のような様相を呈しつつあり、これはまさに、《ロングテール現象》のより”純化“した形だと言えるでしょう。【”YouTube現象“がその際たるもの】
    この点で、クラウドソーシングは、文字通り、地球の”フラット化“を加速する推進エンジンでもある…としています。【コールセンターの相次ぐ”BRICs移転化“などに顕著な現象】

『スレッドレス・コム』スクリーンショット:M-250

『アイストックフォト』【JP】スクリーンショット:M-250

『インノセンティヴ』スクリーンショット:M-250

『SETI@home』【JP】スクリーンショット:M-250

『BBC World News』スクリーンショット:M-250

『キヴァ』スクリーンショット:M-250

『セラバンド』スクリーンショット:M-250

『アサインメント・ゼロ』スクリーンショット:M-250

2009年 7月 4日 Posted by | Business, Economy, IT-WEB, Psychology | , , , , , | コメントを残す

保護中: 『クラウドソーシング - みんなのパワーが世界を動かす」』〔続〕

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2009年 6月 29日 Posted by | Business, Economy, IT-WEB, Psychology | , , , , , | コメントを読むにはパスワードを入力してください。

『クラウドソーシング - みんなのパワーが世界を動かす』

☆早川書房から、意欲的かつ挑戦的な新書:”ハヤカワ新書juice“が刊行されました。その第一号が、『クラウドソーシング』です。最近、何かとIT-WEB業界を騒がせる”クラウド“というコトバですが、同じクラウドでも、”cloud“【雲海】ではなくて、”crowd“【群衆】のほうです。言わば、”集合知“【Collective Intellect】としての《群衆の叡智》に期待する、楽観的な文明批評本でもあります。

》 続きを読む 》

注意 》 続きを読む 》 青色リンクを押すと”パスワード“の入力を求められますが、それは、今後このブログ共通で、「dense2」と入力して下さいね

2009年 6月 29日 Posted by | Business, Economy, IT-WEB, Psychology | , , , , , | コメントを残す

〔補足〕WPオンライン・ブログでのファイルの管理について…!?

☆平素は、この『Dense2’s Blog Weekly』をご愛読いただき、誠にありがとうございます。 <(_ _)>
~やはり、”WP“関連の記事は根強い人気があるようで、ほぼ毎日ご覧いただいているようで、素直に嬉しいです。

★先日、自分でも《一週間でマスターするWP》を改めて通読してみて、一箇所、誤解を招くような記述があることに気づきました。
~それは、”Day6:四番目の設定〔メディアの準備〕“の所にありました。

※[メディア・ライブラリー]の項で、アップロードしたファイルの置き場所は -

  • ファイル置き場のURL⇒「http://[your account-name].files.wordpress.com/[year]/[month]/」
  • …と書いていたと思いますが、これは間違いではありません。

※投稿(エントリー)に”画像“を挿入したいと思ったら、予め[メディア・ライブラリー]へアップロードしておかねばなりません。そのファイル〔画像〕の置き場所は -

  • 画像置き場のURL⇒「http://[your account-name].wordpress.com/files/[year]/[month]/
  • …と、”files“の位置が少し異なります。【これだけ”注意“して下さい】
    ~なぜ、こうなっているかと言いますと、挿入するファイル〔画像〕は投稿(エントリー)用のものなので、記事の”パーマリンク“の構造に合わせるためだと思われます。【私のこのブログでは、サイドバーの”ブログリンク“でPDFファイルにリンクを貼っています。これは、記事とは関係ないので、構造的にファイル置き場を分けている…とも言えますね。「サッカー・フォーメーション表」の所です】

☆このことだけを頭の片隅に置いていただいて、WPのブログライフを気軽に楽しんで下さいね

2009年 6月 26日 Posted by | IT-WEB, WordPress | , , , , | コメントを残す

保護中: 『ルポ 米国発ブログ革命』とWP:SocialVibe Widget〔第一部〕

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2009年 6月 20日 Posted by | History, IT-WEB, WordPress | , , , , , , , | コメントを読むにはパスワードを入力してください。

保護中: 『ルポ 米国発ブログ革命』とWP:SocialVibe Widget〔第二部〕

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2009年 6月 20日 Posted by | History, IT-WEB, WordPress | , , , , , , , | コメントを読むにはパスワードを入力してください。